第二章 葛藤 第5話
- 周りの兄弟たちがなだめる。声 cut
out。ダンは振り切ってルベンに殴りかかり、兄弟たちは、ダンを抑えるために追いかける。ルベンはあちこち逃げ回る。
- ガドとアシェルが顔を合わせ話始める。
アシェル :ガド兄さん、ダン兄貴とナフタリ兄貴はどうしてルベン兄貴を嫌ってるの?兄弟の中では長男でしょう?
ガド :気にするなよ。お前は知らなくてもいい。
アシェル :何でなの?兄さんは知ってるの?知ってたら教えてよ。
ガド :いいよ。知らなくてもいいって言ってるだろ?
アシェル :なんだよ。水くさい。教えてくれたっていいじゃんかよ。
ガド :まあ、それがな。その…、ダン兄貴とナフタリ兄貴の実の母親はビルハ母さんだろう?
アシェル :そんなの知ってるよ。それが、どうしたっていうの?
ガド :それがな。まあ、その…、ルベン兄貴とビルハ母さんが、その、まあ、いわば、その…男女関係になってしまったんだ。
アシェル :なにそれ。本当なの?そんな馬鹿なことが…。父さんもそれを知ってるの?
ガド
:ああ、耳には入っているはずだ。だからビルハ母さんから生まれたダン兄貴とナフタリ兄貴がルベン兄貴にあんなにたてついても、誰も文句が言えないんだ。
アシェル :じゃあ、ルベン兄貴はビルハ母さんを愛してるって?
ガド :そんなわけないだろう。ルベン兄貴はビルハ母さんが先に自分を誘惑したっているけどな。
アシェル :え?それって、本当なの?
ガド :さあね。本当かどうかは誰も知らないんじゃないの?
アシェル :ビルハ母さんはなんて言ってるの?自分から誘ったって認めたの?
ガド
:まさか、そんなこと言うはずないだろう。父さんがなんて言ったかは知らないけど、いつからかルベン兄貴がいるところでは顔も見せない。なのに、自分からどうのこうのとか、そんなことを言うかい?おい、それはそうと、ありゃまずいぞ。本当に兄弟どうして殺し合いが起こるかも。(アシェルに)お前も早くなんとかしてみろよ。
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