ヨセフの再会
The reunion of Joseph
 

ホン・ソンピル (洪 性弼)
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「ヨセフの再会」
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第二章 葛藤 第7

レビ :(立ち上がるユダを座らなせがら)おい、ユダ、もういい。それくらいにしておけ。(ダンとナフタリを指しながら)お前もあいつらの気持ちを知っているくせに、どうした。(後に下がって座りながら)まあ、考えてみりゃあ、うちの親父さんも大したもんだよな。どれだけ自分本位なんだ。長子になったってしょうがないだろう。違うか?だからってうちの親父がイサクから譲り受けたもんなんて、あったか?逆にその時まで蓄えていたものもヤボク川を渡るときに、みんなおじさんにやっちまったんだろう?

シメオン :ハハハ。ホント、うちの親父も大したもんだよ。親父がカナンを離れて20年ぶりに戻るとき、ハハ。おまえ、ヤボク川を渡るときのこと、覚えてるよな?エサウが自分を襲うかも知れないからと言って、どうした?ヤギや羊やらくだの群れを最初に渡らせ、次に俺ら家族を、そして最後に自分が渡ってきただろう?あれは、どういう意味だ?エサウが俺らを襲ったら、自分一人だけ逃げ出す魂胆だったんだろう?それを俺らが知らないとでも思ったのかねぇ。ハハハ。

レビ :(シメオンに向かって)もしかしたら、自分だけを考え自分本位で生きていくのは、うちの家の伝統かも知れないっすよ。オレが聞いた話によれば、アブラハムがネゲムに行ったとき、きれいなサラのせいで自分が殺されるかもしれないからと、妻だということを隠したんでしょ?それで危うくゲラルの王アビメレクにサラを奪われそうになったそうだけど。イサク爺さんもゲラルで全く同じことをしでかしたそうっすよ。うちには、どうしてこんな利己的な人間ばかりいるのかね。とんだ家柄もあったもんだ。

ユダ :お二人とも、それぐらいにして下さい。他の者たちも聞いてますよ。

イッサカル :それは僕も聞いたことがあります。

ゼブルン :お婆さんはそのことをまだ忘れられないと言っていましたよ。

ユダ :(イッサカル、ゼブルンを見て)お前らも静かにしなさい。ふむ…。

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