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第二章 葛藤 第15話
ユダ
：（シメオンとレビを交互に見て）に、兄さん！今、何を言ってるんですか！
シメオン
：（ユダに）え？どうした？お前はここで死にたいのか？（ヨセフがいた椅子の方を指して）さっき、あいつが言ってたことをお前も聞いたろう。俺たちを無理やり連れてきたと思ったら、いきなり回し者呼ばわりだ。殺す気、満々じゃねえか。お前はこのまま、ここで野垂れ死にしてもいいって言うのか？
レビ
：ここでこのまま死んじまえば、残された親父やおふくろはどうなるってんだよ。どうせ死ぬんなら、黙って死ぬより戦って死んだ方がよっぽどいいじゃねえか。
ユダ
：（シメオンとレビを見ながら慌てる）お願いですから落ち着いてください！今すぐ我々を殺すとは言わなかったではありませんか。それに兄さんたちは、また殺人を犯そうというのですか。一度でも足りずに、二度もそのような恐ろしい罪を犯そうというのですか。
シメオン
：おい、なんだお前。親父はまあ仕方がないとしても、お前まで俺らを罪人扱いか？お前はディナがあんなことをされたのに、何もするなってことか？お前はディナが可哀そうじゃないのか。
ユダ
：兄さん、そういう意味じゃないでしょう。ヒビ人シェケムがしたことは許されない悪行中の悪行です。しかし、その裁きを私たちの手でするというのも正しいとは言い難いということです。神は私たちにシェケムに対する復讐やその町に対する裁きを命じられたことはありませんでした。彼らは己の過ちを謝罪し、自分たちと平和に暮らすことを提案してきました。にもかかわらず、神の御心も問わぬまま、私たちの判断で彼らを無惨に殺害してしまいました。シェケムや彼の父ハモルだけではなく、そこに住む男たちをすべて皆殺しにしてしまったではありませんか。
レビ
：おい、ユダ！そこまで言うんなら、一つ聞こうじゃねえか。お前はそれじゃあ、あの異邦人たちと一緒に暮らすべきだったとでも言うのか？それがお前の言う神の御心ってやつなのか？言ってみろ、こら！
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