N1 言語知識 015
 

問題5 次の文の(   )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

26  必要(   )いかなる手段を用いてかまわない。
1 ときたら   2 とあらば   3 というと   4 としては

27  東京の街でも、冬(   )やはり寒い。
1 にもまして  2 といえども  3 につけては  4 ともなると

28  あの国の人は、自分で(   )すぐにまねばかりしようとする。
1 考えることなく     2 考えるべくして
3 考えたところで     4 考えないまでも

29  努力とは、その結果のいかんに(   )価値のあることである。
1 よっても   2 問わずに   3 よらずに   4 関しても

30  安全性が高いとはいえ、投資であるからには(   )。
1 リスクを覚悟せずにはおかない  2 リスクを覚悟しないことはない
3 リスクは覚悟するまでもない   4 リスクは覚悟しておくべきだ

31  放っておいたがために、致命的な問題(   )。
1 にもならんばかりだ       2 になるべくもない
3 になるまでのことだ       4 にもなりかねない

32  A:「そうは言っても、(   )……。」
  B:「いや、君の能力を持ってすれば。」
1 できないものさえないなんて   2 できないはずがない上は
3 できることとできないことが   4 できようとできるまいと

33  いまだ(   )雪の中から、新しい芽が顔を出している。
1 とけきれない  2 とけっこない  3 とけやらない  4 とけかねない

34  長期におよぶ入院は、(   )、家庭でも大きな問題を引き起こすことになりかねない。
1 ひとり本人の問題であることから  2 本人の問題でないことにひきかえ
3 ただ本人の問題であるのみならず  4 本人の問題でないことはもとより

35  (   )私を、周囲の者は空気が読めない女だと言っている。
1 本当のことを言わずにおられない  2 本当のことばかり言うこともない
3 本当のことさえ言うべきではない  4 本当のことなど言うにはたえない

問題6 次の文の ★ に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

36  これらの ___ ___  ★  ___ 問題であることを示 している。
1 しようが  2 解決しない  3 事実こそ  4 いかに

37  これだけの車では ___ ___  ★  ___ 駐車に困る だろう。
1 着いても  2 着いたら   3 早く    4 着いたで

38  待っている ___ ___  ★  ___ 帰っていった。
1 できないと 2 ことすら   3 ばかりの  4 ありさまで

39  父親らしいこと、 ___ ___  ★  ___ しなかった。
1 だけ    2 それ     3 ただ    4 すら 

40  具体的な事例は、 ___ ___  ★  ___ 36件ある。
1範囲で2まとめた3知られる4ところで


問題7 次の文章を読んで、 41 から 45 の中に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
東日本巨大地震が発生して3日後。その被害の甚大さが刻々と明らかになり世界に報道されていたその日、ロンドンに住む若い英国人の友人から、安否を問う電子メールを受け取った。
さっそく返信した。「僕も家族も無事です。チャーチル首相の『ゼア・ファイネスト・アワー(彼らのもっとも輝かしい時)』演説を思い起こして、自らを励ましています」と書いた。実際、被災地の様子を伝えるテレビ映像を  41-a  、また東京で交通機関の混乱を  41-b  、この「ファイネスト・アワー」という言葉を、心中で唱えていた。
1940年6月18日にラジオ放送されたチャーチルの演説の一節である。前年に第2次大戦が勃発(ぼっぱつ)。ナチス・ドイツは、欧州大陸を席巻する勢いで進軍していた。フランスは降伏寸前だ。いよいよドイツ軍が英国本土に攻撃を開始するだろう。
この国家存亡の危機に際して、  42  。
チャーチルは、「もしイギリス帝国とその連邦が千年  43  」と前置きした。千年後の人々が、20世紀をふりかえったら、という視点を設定したのだ。その上でこう呼びかけた。「後世の人々が『これこそ彼らのもっとも輝かしい時であった』と言うように振舞おう」。
冒頭で紹介した英国人の友人は、当方からの電子メールに、さらに返信をくれた。
「危機に瀕(ひん)している日本人の振る舞いを見ると、あなたがチャーチルのあの演説を想起したことはもっともだと思います。世界各地に住む私の友人たちは、日本人が冷静さと尊厳を保って行動していることに、敬意を抱いています」
もちろん、戦争と地震では性格が違う。そして、チャーチルの演説が歴史に残ったのは、英国が戦争を戦い抜き、戦勝国となったからだ。ドイツの同盟国で敗戦の憂き目を見た日本の国民が、戦勝国の首相の演説で自らを鼓吹するのはおかしい、  44  。
だが、チャーチルの言葉には、戦争と自然災害、戦勝国と敗戦国といったもろもろの違いを超えて通用する力強さがあると思う。人間集団は危機に瀕した時こそ、その真価が問われる、という真理に立脚しているからだ。
今回の東日本巨大地震による危機への対応では、「千年」後の人々   を  45  、すでに世界の人々が、日本人の行動を注視している。
(“危機に際して思い出すチャーチルの言葉”2011年3月30日付読売新聞による)


41
1 a:見るなり   b:体験するなり
2 a:見るといい  b:体験するといい
3 a:見るにつけ  b:体験するにつけ
4 a:見るとなく  b:体験するとなく

42
1 人々は自らを反省すべきだ  2 国民はいかに行動すべきか
3 英国はすでに反撃している  4 演説で何ができるだろうか

43
1 続いたならば    2 続くからには
3 続かぬときには   4 続こうものなら

44
1 と感じる向きもあるかもしれない
2 と感じない読者はいないであろう
3 と感じられないといえるだろうか
4 と感じることがあってはならない

45
1 考えるべきではあっても  2 思うのはもちろんのこと
3 待ちつづけるまでもなく  4 ひきあいに出さなくとも

 

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