N1 言語知識 029
問題5 次の文の( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4 から一つ選びなさい。
26 山川鉄道は、3月で開業90年を迎えるの( )最新型車両を導入し、15日から営業運転を開始する。
1 を限りに 2 を皮切りに 3 をよそに 4 を機に
27 いかなる理論でも、データによって実証されなければ多くの人に( )しない。
1 受け入れは 2 受け入れられは 3 受け入れられては 4 受け入れられることは
28 (テレビのコマーシャルで)
「こちらは添加物を( )使用していない、ヘルシーな食用油です。」
1 いっさい 2 とても 3 きっと 4 まさか
29 「今回のプロジェクトを任され、その責任の重さに身が引き締まる( )です。」
1 考え 2 見込み 3 思い 4 始末
30 「このたびは、私どもの商品発送ミスにより、お客様に大変ご迷惑をおかけしましたことを深く( )。申し訳ございませんでした。」
1 わびていただきます 2 わびていらっしゃいます
3 おわびいただきます 4 おわび申し上げます
31 上司「君、困る( )!資料にミスがあったぞ。君のせいで大恥をかいたよ。」
部下「すみません。うっかりしておりまして……」
1 じゃないか 2 のではないか
3 じゃないのか 4 のではないのか。
32 地球温暖化抑制への貢献が、ここ10年あまりの間に、優良企業の条件の一つ( )ようだ。
1 としうる 2 となりうる 3 としつつある 4 となりつつある
33 子ども「お母さん、来週の日曜日、さくら山に行ってもいい?」
母親「だめよ。今の季節、あの山にはハチがたくさん出るのよ。万が一、( )大変でしょ。」
1 刺されさえしたら 2 刺されでもしたら
3 刺させるなどしても 4 刺させるくらいしても
34 自慢する( )が、私は入社以来10年、一度も遅刻をしたことがない。
1 だけのことではない 2 ほどのことではない
3 だけのことに過ぎない 4 ほどのことに過ぎない
35 「いくら注意しても、後輩が同じ失敗を繰り返します。私は注意し続けるべきでしょうか。それとも本人が気づくまで、もう何も言う( )。」
1 べきでしょうか 2 べきなのでしょうか
3 べきではないのでしょうか 4 べきなのではないでしょうか。
問題6次の文の__★__に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
36 山田監督は私の恩人です。今の ★ ことです。
1 あっての 2 あるのも 3 私が 4 監督
37 いったん仕事を引き受けた ★ 最後までやり通すに違いない。
1 彼の性格 2 からして 3 からには 4 責任感の強い
38 ちょっと考えれば、さっきの話が冗談 ★ 、単純な彼は簡単に信じてしまった。
1 わかるだろう 2 だって 3 に 4 ことくらい
39 かつて映画スターであった山田氏が初挑戦で知事選に勝利したのは、能力という
★ 大きい。
1 ところが 2 より 3 よる 4 人気と知名度に
40 この植物はとても強いので、 ★ ちゃんと育ちますよ。
1 水やりを 2 さえ 3 しなければ 4 忘れ
問題7次の文章を読んで、文章全体の趣旨を踏まえて、41 から45の中に入る最もよいものを、1・2・
3・4から一つ選びなさい。
問題7 次の文章を読んで、文章全体の趣旨を踏まえて、 41 から 45 の中には入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
いまはコミュニケーション能力が過剰に求められる時代である。職場でも学校でも、あるいはもっとプライベートな空間でもいい。あらゆる人間関係において、自分の価値を認めてもらうためには高度なコミュニケーション能力が必要とされる。書店に行けばコミュニケーション能力を高めるための自己啓発本があり余るほどでているし、わざわざそのための学校に
41 。
確かに、いまの産業のあり方をみると、コミュニケーションが富を生み出す経済活動の中心にきていることがわかる。製造業は人件費の安い海外に工場をどんどん移転させ、国内に残っているのは、マネジメントや企画、研究開発、マーケティングといった本社機能的な仕事ばかり。そこでは、組織をまとめあげる、アイディアを出す、交渉する、プレゼンをする、ディスカッションをするといった、高いコミュニケーション能力が必要とされる活動がどうしても物を言う。社会のあり方が、工場中心からコミュニケーション中心へと大きく転換しているのである。
しかし、コミュニケーション能力が、人びとの価値を決める独占的な尺度になることは、 42
。事実、コミュニケーションべたで自己アピールにそれほど長(た)け(注1)ていなくても、能力のある人はいっぱいいる。私も大学でゼミを指導していると、ゼミの議論では目立っていてもリポートの出来はそれほどでもない学生や、逆にゼミではおとなしくてもすばらしいリポートを書いてくる学生に頻繁にであう。コミュニケーションの巧みさと本人の能力は必ずしも一致しない。もちろんコミュニケーション能力も人間の能力の一つではある。だから、それが評価基準の一つになることは当然あっていい。
43 、コミュニケーション能力をめぐる過当(注2)な競争は、人間関係にひずみをももたらすだろう。
引きこもりは、社会のなかで要求されるコミュニケーション能力があまりに高いため、一度他者とのコミュニケーションにつまずくと、なかなか新たなコミュニケーションに踏み出せなくなってしまうことから生まれる。引きこもりまでいかなくても、周りとのコミュニケーションのなかで自分がまともに相手にされなければ、誰だって心を閉ざしてしまい、内にこもりがちになるだろう。コミュニケーション能力をめぐる競争が激しい社会は、
44 人にとても冷淡だ。
また、いじめは、子供たちのコミュニケーション能力の欠如からおきているのではなく、逆に、みんなが空気を読みすぎることで生じるストレスのはけ口を特定の人間に向けることでおきている。こうしたストレスや重圧は、子供に限った問題ではない。空気を壊してはならないという圧力は、人々にコミュニケーション能力をさらに要求するだろう。しかし、それが進めば、社会のなかで同調圧力が強まり、社会そのものが萎縮(注3)
45 。
(萱野稔人「私の視点」2009年4月9日付朝日新聞朝刊による)
(注1)長(た)ける:優れている
(注2)過当(かとう)な:適当な程度を超えている
(注3)萎縮(いしゅく)する:元気がなくなる
41
1 通う人もいるほどだ 2 通うまでもなかろう
3 通うべきである 4 通う人がいるのだろうか
42
1 極めて当然のことではないか 2 極めて可能性が低いのではないか
3 はたして健全なのだろうか 4 はたして起こり得ないのだろうか
43
1 したがって 2 すなわち 3 それどころか 4 とはいえ
44
1 こうしてつまずかせる 2 そこから踏み出させる
3 それにつまずいてしまった 4 ここから踏み出してしまった
45
1 してしまうのだろうか 2 してしまうだけである
3 してしまうものでもない 4 してしまうとも言えまい
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